けやき通り     鈴木惠子


 平成27年2月21日(土) 晴れ
 出席者 福田 齊藤 鈴木
 作品  1 呼び名   福田


 こんな書き出しで書き続けられた例会日誌〈けやき通り〉が、大学ノート5冊目になった。


 詩誌『けやき』の創刊は、1988年(昭和63年)6月10日初夏号である。

 7月18日付けの上毛新聞紙上に〝主婦グループが詩誌〟の見出しで、メンバーは、角田弘子 石綿清子

 福田尚美 齊藤加珠子の四人の女性が詩誌を発行した。

と詩誌の写真と共に紹介されている。

 また、同7月30日付けの上毛新聞の同人誌紹介の欄にも記事が載っている。
 創刊号は、百部発行し各人が詩を二編、エッセイ一編づつを発表。誌名の「けやき」は、前橋駅前のケヤキ並木の

 清々しくたくましいイメージから採った。
とある。表紙は、ケヤキの大木が下から描かれ、題字はあざやかな緑色で書かれている。
 第二号は、同年の11月に発行され、表紙もケヤキの大木の上に満月が輝いて秋を描いている。
 それから2007年夏第三十九号まで、詩二編エッセイ一編づつを発表、編集は交代で担当した。
 同年11月には『けやき』二十周年を記念し第四十号をアンソロジィ特集とした。今まで書き溜めた詩を五編とそれぞれが詩への思いを綴ったエッセイを一編づつ載せた。今、読み返しても同人夫々の詩への熱い思いが伝わってくる。
 2011年秋 第四十五号から年一回の発行となった。詩は四編、エッセイは一編づつ編集は交代でしている。去年の秋には、第四十八号を発行した。
 創刊の時から、一年に10回(8月と12月は休み)の例会を続けてきた。
 今も詩作品を一編または二編持ち寄り、合評を行っている。考え抜いてやっと書き上げた最後の一行を「ないほうが良いのでは・・」と評されて、「やっぱりそうか」と納得したり、「これは譲れない」と言い合ったり、毎回充
実した時を過ごしている。
 持ち寄った作品と共に、例会での話し合いの要点を〈けやき通り〉に書き記している。五冊のノート〈けやき通り〉は、詩誌『けやき』の根の様に思う。
 「利根の源流に住む皆様は、みずみずしく水音を立てている詩人になって欲しい。」
 ある詩人から送られた言葉を忘れないように、『けやき』はありたいと思っている。

(会報291号より)