代表幹事として    平野秀哉

 

 群馬詩人クラブの新旧幹事会は平成25年(2013)9月15日(日)に榛名まはろばで行われた。その席で私に代表幹事をやれとの話が出た。晴天の霹靂!なんで私が。いちばんの年嵩、少し耳は遠くなったが、まだ働けるーということだろう。しばらく考えてから代表幹事を受けることにした。

 「任に応じて他に譲ることなし」 こんな禅語を噛みしめながら-。
 前幹事は275〜284号までとても充実した内容の群馬詩人クラブ会報を10号も出した。まずこれを見習いたい。次に群馬年刊詩集も36号となった。綿密な校正で、すぼらしい詩集となった。今年も見習っていこうと思う。総会と秋の詩祭も成功させたい。また現代詩作品展も昨年は前橋文学館と共催で行ったが、好評だったようなので、今年も同じ方向で成功させたいと思っている。
 会報283号で梁瀬和男さんが「群馬詩人クラブ回顧」を書いておられるが、群馬詩人クラブの発足は昭和32年(1959)で今年から57年前であり、何よりも県内詩人たちの交流の場を作り、そこで協議し行動に移すことを方針とした。次のようなテーマが思い出される。
 「私たちの詩誌の主張」

 「詩に関する研究発表」

 「群馬年刊詩集の合評」
 幹事会で発言者、司会者を決めておいて、いつも活発な意見の交換ができた友情と信頼が自然の形で醸成されて行った。
 また「会報」では郷土輩出の詩人への感想や作品鑑賞を企画してその詩的遺産の継承についても配慮した。現在の 「会報」にそれらの掲載がないのが惜しまれる。
 次に特記したいのは「会報」 で当時の政治的社会的課題に対する会員の意見を特集したことである。
 現在「日本国憲法」に関する論議が、戦後はじめての問題となっているが、このような重大な課題に対して、私たちも確固たる認識をもつべきであろう。そして「会報」にこのような現実的課題への、発言が必要だと私は今思っているのだが、それは詩は現実から遊離してはならないと考えるからである。
 群馬詩人クラブにとっても大きな課題である。

(会報285号より)